運命の黒ギャル

初出:Pixiv 2021/8/31

【要約】
黒ギャル大好きな風見裕也が、完璧すぎる黒ギャル(しかし性別は男)に出会うお話

【確認事項】
〇前半はひたすらに風見裕也の性的嗜好確立のお話
〇身近な黒ギャルをオナペットにしてしまう風見裕也な描写があります
〇風見裕也が夢精します
〇黒ギャルAV大好きな風見裕也
〇これを書いている人は、黒ギャルもののAVに詳しくないので、イメージで書いています。
〇風見裕也の元カノや、小学生時代の友達とその家族が出てくる
〇風見裕也の小学生時代~青春時代を激しく捏造
〇性描写はあっさり


小学生最後の夏休みだった。

八月初め、その日は野球の練習もなく、外は雨だった。
母親が作り置きしていった弁当を持参し、午前9時。俺は友達の家に遊びに行った。

友人には、大学生の姉がいるらしかったが、一度も会ったことがない。

『ねーちゃん、どんな人なの?』
『んー……悪魔』

そんな風に聞かされていたから、きっと、すごく怖い人なんだろうと思っていた。
放任主義。というのだろうか? 友人の両親は、とにかく奔放な人たちで、その日も、子どもたちに留守番をさせ、一週間の海外旅行に出かけている最中だった。

『え? 海外旅行? ついていけばよかったじゃん?』
『カンボジア、ヒッチハイクの旅……ついていきたいと思うか? だったら、あんな姉と一緒でも、家で留守番してた方がまし』
『お前の父ちゃん母ちゃん、本当に自由だよな』
『俺は、お前んちの、普通の親がうらやましいよ』

と、いうわけで、その日、友人宅の居間には、俺と友達の二人きりしかいなかった。

夏休みの宿題ドリルを、数ページだけ進めて、その後はひたすらにゲーム三昧。
正午を告げる、音楽が聞こえてきて、そこでいったん、昼休憩に入ることにした。
母親の弁当を食べる横で、友人は、冷凍チャーハンをほおばっていた。
と、その時、階段から足音が聞こえてくる。

「え……足音?」
「あ、起きてきた」

ガチャンと、扉が開く。

「おはよ……あ? お前、なに食ってんの? 昼飯はねーちゃんが作ってやるって言ったろ?」
「……いらねーって言ったし。てか、友達くるって言ってあったのに、見苦しい恰好で出てくるなよ」
「友達……?」
「あ……初めまして。風見裕也です」

階段を降りてきたのは、初めて見る友人の姉で、彼女は小麦色の肌に金髪のショートボブをさらさらとなびかせていた。目が大きくて、鼻筋が通ってて、あごがしゅっと尖っている。
服はパジャマ……なんだろうか? 薄い生地がピラピラしている短パンは、お尻が見えてしまいそうなほどに短く、パンツが透けて見えた。白のタンクトップは、胸元が大きく開いており、ブラジャーのレースが少しはみ出ていた。そして、とにかくおっぱいがデカくて。その胸の上に、キラキラのネックレスがちょこんと乗っている。
だらしない、ではない。これは、えろい……とうやつだ。

「おー……ゆうや、よろしくな」
「おい、裕也。自己紹介とかしなくていいから。マジでかかわるとろくなことにならねえから……」

俺の脳に、小麦色の肌の艶やかさが強く刻まれた。

「お……? 嫉妬か? 姉ちゃんが、ゆうやと仲良くしてるのを見てやきもちやいてんだろ?」
「ちげえし。てか、着替えて来いよ。マジで、客の前で、パジャマ姿とかねえから」
「パジャマじゃねえし。ルームウェアだし」
「おめえの、きたねえケツとか見たくねえんだよ」
「あ? 二次性徴か? 姉ちゃんのセクシーな格好見て、動揺してんのか?」
「あー……ほんっとやだ」

目の前で始まった姉弟げんかを眺めながら、俺は酷くドキドキした。
えっちな服を着た女の人が、強気発言するの……なんかすごくいい……。

「ゆうや」
「え……っ? あ、はい?」
「ゆうやは、このルームウェア、エロかわだって思うよな……?」

からかうようなほほえみ。

「えろかわ……?」

それは、初めて聞く言葉だった。

「えっちで、かわいくて、魅力的だろ?」

ああ、それならわかる。

「え……あ……えっと、短パンの裾のところから、パンツ見えそうなところがいいなと思ったのと。ブラジャーがちょっとはみ出てるところが、えっちでいいと思います」

俺が、そう答えた直後、沈黙が訪れた。
エアコンが風を送り出す音。アブラゼミの声。
笑顔で、俺をからかっていた友人の姉は、ものすごく驚いたような顔をし、それから、眉をハの字にした。
それを見て、強気ぽい人が、急に、困ったような顔をするの、なんだか、かわいいなと思った。

「……あー。ちょっと、用事思い出したわ。あんた、昼飯の準備自分でしたみたいだし、私は、外で食べてくる……」
「うん……裕也も夕飯前には帰ると思うから」
「おー……じゃあ、夜の八時ごろに帰るわ……」

先ほどまでけんかしていたはずの姉弟が、淡々と今日のスケジュールについて確認し合う。
友人の姉は、二階に上がり、それから十五分後、玄関から「いってきまーす」という声が聞こえた。

「いってらっしゃーい!」

俺が、玄関に向かって叫ぶと、友人はため息をついた。

「裕也……お前さあ……俺が、お前のお母さんの胸の形がきれいとか言い出したら、どう思う?」
「え……お前、そんなこと思ってたの?」
「……たとえ話だよ」
「そう……?」

年の離れた姉のいる友人は、たぶん俺よりも精神年齢がずっと大人で、だからこそ、あの時、妙な気まずさを感じ取ったのだと思う。
だが、あの時の俺は、年相応に幼くて。だから、平気で、正直にあんなことを言えてしまった。

「まあ、いいや……裕也はそういうやつだもんな……。よし、気を取り直して宿題の続き一時間くらいやったら、ゲームしよう」
「えー……宿題の続きやんの? ほんとに真面目だなあ」
「俺は、両親や姉みたいな感じになりたくないからな。ちゃんとしないと……」

この日のできごとは、俺の性的嗜好の形成に大きなインパクトを与えることとなる。

 

 

「あいつの姉ちゃんの格好、えっちだったな」と思いながら。俺は、あの日見た、お姉さんの部屋着姿を反芻するようになった。
俺の言葉で困った顔をする、あの、かわいいリアクション。あの表情を思い出すと、なんだか、胸がざわざわする。

そして、その日は訪れた。

小学六年生の十月。俺は夢を見る。

『てか、ゆうや、私のパンツ見たいの?』

――見たいです!

『……ゆうやのえっち。そんなこと言われたら困っちゃう』

――どうしてですか?

『だって……恥ずかしくなっちゃう』

(ああああ!! なんて、えろかわいいんだ!!!)

夢で友人の姉とおしゃべりをした俺は、夢精によって精通を迎えた。

中学になり、いとこのおさがりのノートパソコンをゲットした俺は、友達に教えてもらった方法で、えっちな動画を見ていた。

『広告とかは、クリックしない方がいい』
『ここのまとめサイトが便利』

初めの頃は、ジャンルも、傾向も問わず、新着のものから、ひたすらに再生をかけていたが、徐々に自分が好きなものの傾向が見えてくる。
どうやら俺は、黒ギャルと呼ばれるジャンルに、強く心を引かれるらしかった。

そして、高校時代、進学校に入学した俺は、重大なことに気が付いた。

女子の制服はブレザーに、プリーツスカート。
黒ギャルが着ていたら、絶対にかわいいやつ。
しかし、一年生はまだしも。二年生も三年生も、制服を着崩さず、髪を染めず、肌を小麦色に焼いていなかった。
スカート丈を短くカスタマイズしている生徒もいるにはいるのだが、パンツが見えそうなほどに短い生徒はいない。

なんてことだ……。
俺は、黒ギャルのいない高校に進学してしまったのだ。

しかし、性春まっさかり。
女の子と仲良くなりたいし、えっちなこともしてみたい。
俺の母校は進学校だったが伝統校ということもあり、学校行事や部活動も盛んだった。
そこで、楽しく健全な青春時代を送った俺は、黒ギャルではないが、かわいい女の子と付き合うことになった。

初めてできた彼女は、黒い髪をさらさらとさせ、白い肌は、もっちりしていた。
おっぱいも大きかったし、むちむちしてて、すごく触り心地がよかった。ちょっとおとなしいけど、俺の話をたくさん聞いてくれる彼女が大好きだった。

だけど……黒ギャルは別腹なのだ。

お気に入りの画像を集めた、フォルダをサムネイル表示させると。
画面が小麦色に染まるほどに。
おれは、黒ギャルの艶やかな褐色に焦がれた。

彼女のことは大好きだったが、ちょっとした行き違いで自然消滅した。

大学生になり、今度こそ、黒ギャル……と思ったのだが……
いわゆる名門校に進学してしまった俺は、またしても、黒ギャルのいない環境で四年を過ごすことになった。
合コンに望みをかけたものの、大学名のブランド力に惹かれて合コンに参戦する彼女たちは判を押したように、清楚系の見た目をしていた。

こうなったら、AVにすがるしかない。

一人暮らしの部屋。俺は、月に2~3本の黒ギャルAVを円盤で買うようになった。
ネットで見ることも可能なのだが、クレジットカードを持っておらず、決済のためにはコンビニまで出向く必要があった。それだったら、円盤を買ってしまった方がいい。趣味がわなかったものは中古で売ることができる。

この頃の俺は、黒ギャルとの、セックスをほぼ、あきらめていた。
三十になった今なら、そんなことはないと断言できるが、自分のコミュニティの外にいる黒ギャルと知り合い、恋愛関係(あるいはセフレ)に発展させるには、時間とエネルギーが足りなかった。

バイトがある。サークル楽しみたい。ゼミの飲み会。卒論の準備。男友達との夏旅行。

俺は、黒ギャルに対する欲望はAVで満たし、実際には、普通の女の子たちと普通の恋愛をするという日々を送っていた。

大学三年生の時、当時、つき合っていた彼女に「コレクション」が見つかってしまった。
俺は一途な男だ。発見されたコレクションは、ぶれることなく、全部、黒ギャルもの。
それも、厳選の結果、生意気な黒ギャルが、性の快感によって屈服してしまう系の円盤ばかり。

『いやー……AV見るのはいいけどさ……これは、流石にきついかな』

そりゃあ、そうだろう。
自分とは正反対の外見的特徴を持つ女優を起用した円盤ばかりが十七本。
しかも、ノーマルで穏やかなセックスしかしない彼氏が、実は凌辱ものや羞恥系のAVを好んでいたとなれば、そういう心境になるはずだ。

一週間後、話し合いを持った際。彼女は言った。

『裕也とのえっち、ちょっと刺激が足りないなと思ってたから、AVを一緒に見て、いつもと違う感じで……って思って家探ししたらさ……出てきたのあんなんばっかじゃん。これ、もう、マンネリとかじゃなくて、私が黒ギャルじゃないのがダメなんだなって思えちゃってさ。もう、あんたとのこと、どうでもいいなって……』

と。
弁明の余地がなかった。

大学を卒業し、警察学校を経て、俺は警察官になった。ひきつづき、黒ギャルとは縁のない生活。

公安部に異動となったとき、俺は激しく後悔した。
こんなことなら、一度ぐらい、ギャルデリを頼んでおくんだった……と。
自分はきっと、黒ギャルを抱けないまま、この人生を終えるのだ……。

公安部での仕事は、精神的に、すり減ることが多々あった。心がすり減るたびに、俺は、黒ギャルもののAVで自分を癒した。
基本的には羞恥系が好きな俺ではあるが。
逆レや痴女ものも好きだ。
姉御肌の黒ギャルが童貞の筆おろしをする系の作品は、疲れた心の特効薬だと思う。

黒ギャル物ばかり見ているので、その他のJKものや、OL系などの傾向がわからないのだが。黒ギャルのAVって、なぜか、アナルセックス描写が多くないか? ちょっとした不思議だ。
……でも。そりゃあそうか。黒ギャルのアナル調教ものは最高だからな……

まあ、俺は黒ギャルとAFどころか、普通のセックスすらできないまま一生を終える哀れな男なのだが……。

そんな日々を送る俺に、運命の日は訪れた。

黒ギャルに恋い焦がれながら。しかし、彼女たちとの恋を諦めるしかなった俺に、神が同情したのだろうか?

俺の前に現れた 警察庁公安部企画警備課ゼロ所属の潜入捜査官・降谷零。
初対面の際、俺は一瞬で目を奪われた。

サラサラのミルクティーブロンド。艶やかではりのある褐色の肌。大きな目に、キリッとした眉。
年齢は二十代後半だが、童顔故に、見た感じは大学生くらいにみえなくもない。
スタイル抜群で、体躯はしなやか。

黒ギャルだ。
それも、パーフェクトな。すごくかわいい、黒ギャルだ。

外見だけじゃない。
プライドが高く、とっつきにくそうに見えるが、実はめんどうみがよく情深い……

そんなところも含めて、降谷零はとにかく完璧な黒ギャルだった。

ただ、一つ、問題があった。降谷零は、男性だったのだ。

 

 

降谷さんからの無茶ぶりで疲弊しきった俺は、その晩、お気に入りの黒ギャルAVを再生し、アナルの形を再現したオナホでチンコを扱いていた。
生意気な黒ギャルの、アナル処女を奪い、調教していくというこのシリーズを俺はとても気に入っている。
そして、シュッシュと、右手を動かしながら、俺は、とんでもないことを考えた。

――降谷さんも、アナルはあるんだよな

はっとした俺は、慌てて、AVの再生を中断し。オナホから自身を抜き去った。
これは危険な兆候だ。
俺は、自暴自棄な気持ちになり、片づけは明日にして、ベッドに入った。

そして。
結論から言う。
翌朝、俺は夢精した。

久しぶりに、小学校時代の友人の姉と、セックスする夢を見た。
中学から高校にかけて何度も見たそれは、俺にとって、おなじみの夢の一つだ。
直前まで見ていたAVの影響だろうか、俺は自身の性器をアナルに挿入していた。
彼女に覆いかぶさり、正常位で腰をふる。
しかし、おなじみの夢は、いつもとほんの少しだけ様子が違っていた。
いつもなら、彼女は「ゆうや」と、俺を呼ぶ。しかし、今日は「風見」だったのだ。
おかしいなと思って、顔をあげる。
すると、そこにいたのは黒ギャルではなく、ゼロの捜査官・降谷零だった。

『風見……きもちいいよ……僕……恥ずかしいけど……きもちよくって……ばかになちゃいそうだ』

もう、止まれなかった。

――降谷さん! ふるやさん……!!

俺は、激しく腰をふった。

翌朝。久しぶりの感触に、げんなりする。
三十にもなって……と、思いながら、とりあえずティッシュで応急処置をしベッドの外に出る。ベッドサイドには、昨日そのままにしておいた、AVのパッケージとオナホ。
うんざりした気持ちのまま、シャワーに向かった。

 

 

浴室から出た際、なんとなく、違和感を覚えた。
足音を消し、気配を殺しながら、部屋に突入すれば、そこには顔面蒼白の降谷さんがいた。

「え……降谷さん?」
「君……これ……」

なんだろうと思いながら床を見れば、出しっぱなしにしていたオナホ、ゴミ箱に投げたはずのティッシュ、昨晩見たAV、そして、クローゼットの衣装ケースにしまってあったはずのコレクション一式が、押収品陳列よろしく、きれいに並べられていた。

「え……いや、その前に、降谷さんはなぜここに?」
「……君が不摂生していないか抜き打ちチェックに来たら、君がシャワーを浴びていたので……そのすきに私室の様子を確認しようと思い……」
「……ベッドサイドの……オナホなどを見つけたと」
「ああ……それで……なんとなく嫌な予感がして、君の行動パターンから、こういったものを隠しそうな場所を推理し、確認してみたところ、八十九本の成人向けソフトを発見してしまったというわけだ」

降谷さんが、気まずそうに顔をそらす。
床一面に広がる小麦色の肌を前面に打ち出した、AVのパッケージ。
中途半端に使用して、洗浄を済ませていないオナホ。精液をふき取ったティッシュの残骸。

いたたまれない気持ちになる一方で、俺は、この状況に、どうしようもなく興奮していた。
俺にとっての、性の原体験。
小学生最後の夏休み。友人とその姉の気まずそうな表情。

「降谷さん……」

降谷さんは、パンツが見えそうな短パンも、胸の谷間が見えそうなタンクトップも来ていない。
着ているのは、俺が試着し購入を決めた捜査備品ようふく
鎖骨から脇に向かって斜めスリットの入った(ボタンで開閉できる)変形デザインの白いトップスに、ラインがくっきりと出る、ストレッチ素材の入ったストレートのズボン。

それは、とても「エロかわ」だった。

「俺を、解任してください……」
「え……何を言い出すんだ君は?」
「だって、こんなの……到底受け入れられないでしょう?」
「いや……君がどのような性的嗜好を持っているかは自由だし……まあ、ただ、こういった外見の女性が絡むような仕事はなるべく振らないように気をつけようとは思ったが……」

黒ギャルが絡んでくる任務ってどんなだよ……。一瞬そちらに、思考を持っていかれそうになったが、慌てて、軌道修正する。

「俺が、耐えられないんです」
「え……?」
「降谷さん、俺……たぶん、あなたのこと、ずっとそういう目で見ていたんだと思います……! 俺……今日……夢の中であなたと……それで、下着を汚してしまって……」

降谷さんが、顔を真っ赤にしながら、うつむいた。
こんな時にまで「その顔、そそるな」と思ってしまう自分が恨めしい。こんな俺に、この人の右腕が務まるわけがない。

「……知ってたよ」
「え……? 俺が夢精したことを?」
「……そっちじゃない! 君が、僕のことを、えっちな目で見てたこと……。最初は気のせいかなと思っていたけれど、少しずつ確信を持つようになっていった」
「……なら、なおさら。気持ち悪いでしょう? 劣情にまみれた視線を送ってくる同性の部下なんて、側に置いておく気になれないはずだ」

俺は、床に並べられた、お気に入りの円盤を、一枚手に取った。

「俺……あなたと出会うずっとずっと前から、黒ギャルのことが好きで好きで仕方なかったんです」
「え……? 僕に出会って、こっちに目覚めたとかではないのか?」
「はい。小学六年生の時に、黒ギャルとの邂逅があって……それ以来ずっと……その黒ギャルをオナペットにして……」
「おなぺっと?」
「端的に言うと、お気に入りのオカズです」
「……そうか」
「でも、俺、たぶん、このままじゃ、あなたのことをオナペットにしてしまうし……それにこれ、見てください」

AVのパッケージが降谷さんに、よく見えるよう掲げる。

「うん……」
「俺……こういう……無理やりっていうか……ちょっと強引に、性的関係を持って……相手を戸惑わせながら、最終的に、とろとろにしてしまうというような作品に、どうしても、心惹かれてしまうんです」

夏のあの日。
友人の姉は、困惑した顔をしていて、それが、とてもかわいかった。

「まあ……たしかに、君のコレクション七割くらいはそのような作品だな」

降谷さんの困った顔。

「今だって、あなたのその困った顔に、たまらなく欲情している」
「……え?」
「ほら……もう、スウェット越しでもわかるでしょう? 俺のココ」
「……」

降谷さんが目を真ん丸に見開いて、俺のそこをじっと見つめた。

「今まで、おつきあいした女性は、全員、黒ギャルではなくて……だから、ある程度、のめりこむことなく……性行為に臨むことができた。極めてノーマルで、紳士的なセックスを心掛けることができた……でも、あなたは違う。あなたは、あまりにも完璧な黒ギャルなんだ!」

降谷さんは、俺の彼女ではない。年の近い同性の上司だ。普通だったら「お前の性癖、ぶれないな」で済んだかもしれない。
だが、降谷さんは、ただの上司ではない。俺にとって、初めての身近な黒ギャルであり、しかも、あまりにも完成された黒ギャルだった。

「……でも、僕は君がいないと困ってしまう」
「……警視庁公安部には、優秀な人材がそろっています」
「だけど……」

すがるような声。大きな瞳が涙でぬれている。

「わかってるんですか? 俺、あなたのこと、犯してしまうかもしれないんですよ!? こんな性癖持った男、あなたの側にいるべきじゃない!!
「……僕は、頑丈だ」
「何を言ってるんです? それともあれですか? バーボンの仕事の時には、そっちを使ったりもするんですか?」

お願いだ。俺を嫌いになってくれ。
そして、俺じゃない別の右腕と、新しい関係を築いてくれ。

「……君は、わかってない。君にそんなことを言われたぐらいで、僕は君を手放そうなんて思わない」
「……」
「たしかに……身近な同性から、そういった熱のこもった視線を向けられ……最初は、戸惑っていたけれど。途中から、それが、僕のよろこびになっていた」

その言葉から、切実な気持ちが伝わってくる。

「僕が気づかないわけがないだろ? 君の視線の意味を」
「そりゃあ、まあ……」

そうかもしれないが。
降谷さんが、顔を真っ赤にしながら、声をふるわせながら、俺に語り掛ける。

「どうして、僕が、君をバーに誘ったと思っている? シャワーを浴びた直後の濡れ髪で君を部屋に迎え入れた理由は? 君に合鍵を渡したり……そして、こうやって、家に突然やってきた理由……わかる、だろ?」

そんな……。
こんなに都合のいい話があるものか。

「おなぺっと? ……だ……」
「はい……?」
「君に、あんなふうに見つめられて。それが、うれしくてしかたなくて……僕は君をオナペットにしてた!」
「降谷さん!」

降谷さんに駆け寄る。
コレクションの円盤を一枚踏みつけてしまったが、そんなことはどうでもいい。たとえディスクが割れていたとしても、あとで買い直せばいいのだから。

「降谷さん……」

その体を、ぎゅっと抱きしめた。なんかいい匂いがする。
そして、ズボンの生地の上から、形のいい尻を揉みしだく。

「あ……っや……」
「好きです……! たぶん、初めて会ったその瞬間から、あなたに恋をしていました」
「風見……」
「うれしい……俺、黒ギャルとは縁がないってずっと思っていて……」
「……んっ……それ……僕の体しか見ていない……のでは?」

降谷さんが、不安そうな顔で、俺の顔を見つめた。

「いえ。右腕としての俺は、あなたを心底尊敬しています。だけど、一人の男としての俺は……あなたを……ぐちゃぐちゃに犯して、自分のものにしたくて仕方ない」

そう言って、俺は、降谷さんのトップスのボタンを一つ一つ外していった。

「あ……っ」

その鎖骨にしゃぶりつく。ずっと憧れていた、褐色の肌。

「んっん……」

尻を揉まれ、鎖骨を吸われ、降谷さんが腰をゆらゆらと揺らす。
俺のへそのあたりに、硬いものが当たった。それは、明らかに雄の象徴だった。だけど、そんなことは気にならなかった。それよりも、俺の唾液によって、てかてかと光る、降谷さんの鎖骨の方がよほど衝撃的だった。
やや強引に、降谷さんをベッドに押し倒し、その唇をふさぐ。

「んぅ……っ」

キスをしたり、それを中断したりしながら、降谷さんのズボンを、無理やり脱がせていく。

そして、すべすべのお尻に手を触れた時。
俺は、このまま、自分の性器をぶち込んでやりたいという衝動にかられた。

「ちょっと、うつぶせになってもらえます?」

そうやって、囁けば、うまくしゃべれないのだろう。降谷さんがこくこくとうなずいて、身をよじらせた。
そのすきに、床の押収品陳列からローションを手を拾い上げる。

「腰、あげてください。 俺に、降谷さんのきれいな、お尻見せてください」
「んっ……」
「そうです。すごく上手です。……ちょっと失礼します。冷たいですよ?」

降谷さんの腰から尻にかけて、ローションをたっぷりかけてやる。
そして、その、粘液を手の平を使って、お尻全体になじませれば……。
小6の夏の日から、俺がずっと求めていたもの。
形のいい褐色のお尻が、てかてかと、光を放った。

「降谷さん」
「ん……なん。だ?」

お尻をやさしくなでてやる。

「あっ……んん」
「降谷さんのお尻、すごくきれいで……触り心地も最高です」
「や……はずかしい……」
「ふふ、かわいいですね」

これは、運命なのだと思った。
俺がずっとずっとほしくて、しかたなかったもの。

「んっ……ん」
「すごい、感じやすい……すごい、トロトロ出ちゃってます……?」
「そ……それは……条件反射だ……僕。君の声の録音を……使ってたから」
「え……っ? 降谷さんって、すっごいえっちなんですね……大好きです」.
「僕……その……こういうの、なれてるわけじゃないからな。バーボンの時だって、こんなことしたことない。だから……優しくしてくれ……その、僕……はじめて、だから」
「え……アナル処女を俺にくださるんですか?」
「……君に、全部、あげる」
「降谷さん……好きだ!」

えろくて、かわいくて、元気いっぱいの黒ギャルのアナル処女をもらいながら。俺は、ぽろぽろと泣き出していた。

(俺が、今まで、黒ギャルと縁がなかったのは……降谷零という運命の黒ギャルに出会うためだったのかもしれない)

fin……

 

 

【あとがきなど】

降谷零によって、黒ギャル好きになる風見裕也のこと大好きなんだけれど……
数日前の夜、突然思いついた「もともと、黒ギャルが好きだった、風見裕也の可能性」……
私は、その可能性に、ものすごく衝撃を受けた……

黒ギャル大好きすぎて、ノンケなのに、上司のことを抱きたくなってしまう裕也……?

なんだそれ……かわいくないか???????

しかも、黒ギャルもののAVってなぜか、AFを扱ったものが多い(偏見)
おい……裕也……黒ギャルの尻が恋しいのなら……降谷零の尻にも……アナルついてんぞ……?

しかも……降谷零……
原作者からもえっちだと思われているし……
風見裕也は、降谷さんのことを、顔がいいと思っている……??????

こんなん、風見裕也、降谷零を抱いてしまうじゃん?
現実では抱かないかもだけど、夢の中では、抱いちゃうやつじゃん……????

という、思いつきから、この話を書きました。

しかも、黒ギャルが大好きな風見裕也……
降谷零がコンプレックスに感じたこともあるかもしれない、外見的特徴を……
心底愛してくれているという意味でも……おいしいなって思う。

(そうか……君は、僕の髪や……この肌の色を……すごく好いていてくれるんだな……)

あと、この裕也は、性の原体験の影響で、少々歪んだセックスに憧れがありますが……
凌辱や、羞恥プレイをしなくても、降谷さんが勝手に、びっくりしたり困惑してくれるので……
甘々えっちでも、満たされるようになります。
でも、基本的には、そういったプレイに関心があるので、拘束とか、言葉責めていどのソフトSMはしかけてきます。

 

 

 

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