誤解

〇俺×降から……風見の部下×降谷さんなどを挟みつつ。いつか、風降に至る物語(むなくそわるい)。
〇シリーズの都合上R-18をつけてますが、このお話に関しては、描写はほとんどないです。
連載形式(全5話を予定)
不穏の続き

3P(俺降・B降)/風見さんに彼女がいる/降谷さんの秘められた想い(?)

※捏造たくさん!
※風見裕也の部下A(オールバック)、B(前髪ある方)が登場
※風見の部下Aを31歳。B君を27歳としています。

主人公:
28歳。降谷と再会してから10ヵ月くらい。
身長185+。
男根→かなりデカい。
性格→ついつい説教っぽいことを言ってしまう。基本的に、悪いやつではないが、ちょっとねちっとしている。

 


 

社交辞令のような約束を、風見さんはきちんと果たした。
警視庁公安部御用達の居酒屋。風見さんと、その部下AさんとB君。そこに俺と、俺の後輩が一人。

「今日は俺のおごりだ」

その言葉に、場が沸き立つ。
風見さんは、降谷の名前を一度も出さなかった。そして、自分の仕事に関する話はせずに、俺達の愚痴を静かに聞いていた。
一時間たったころだろうか。
風見さんの電話が鳴った。

「すまん、ちょっと、席外す」

降谷から、かもしれない。そう思うと、心が穏やかではなかった。
やがて、風見さんが席に戻ってくる。

「ちょっと、急用ができてしまった。これ……封筒渡しとくから。もし足りなかったら、俺の名前で、つけといて」
「了解しました」

風見さんの部下Aさん。オールバックの彼は封筒を受け取ると、それをポケットにしまい込んだ。

「風見さん、もしかして、彼女ですか?」

風見さんの部下のB君が、からかうように笑う。
そのやり取りに、少しだけおどろく。そうか。この人には、彼女がいるのか。

「……そうだったらいいんだが。上からの呼び出しだよ。じゃあ、君たちも、遠慮せずにゆっくり」
「風見さん、お疲れさまです。今日はありがとうございました」

俺が、頭をさげると、風見さんは「そいうの大丈夫だから」と言って笑った。

 

三十分ほどして、後輩が、眠りに落ちてしまった。
酒に弱いわけではなかったが、疲れもあったんだろう。すやすやと寝息を立てる。

「彼、大丈夫です?」

B君が心配そうな顔で、後輩の顔をのぞき込む。

「ああ。眠ってるだけです。最近疲れてたみたいで……それより、先ほどの話なんですけど……風見さんって彼女いるんですか?」

ふと、思いついたように、その話をふれば、Aさんは黙り込み。B君はにこりと笑った。

「意外ですよね? いるんですよ。これが。二年くらい付き合ってんのかな? あんまり会えないみたいですけど。かなり大事にしてるみたいですよ。こまめに連絡をしているみたいだし」
「そうなんですね」
「うらやましいですよね。俺も欲しいな。彼女」

日本酒を口に含み、静かにうなずいた。

「……もしかして、彼女、いるんですか? いそうな感じだなー……うらやましい」

そう言って、ケラケラ笑うB君は、確か俺よりも一つ年下で。オールバックのAさんは、俺よりも三つ年上だったはずだ。

「いや……いないですよ」
「そうですか? でも、なんか、そういう感じがしないというか……」
「そういう感じ?」
「女に飢えてる感じ、あんまり出してないじゃないですか。俺は……ついつい、がっつき過ぎちゃうのがいけないのか、なかなか……」

B君がため息をつく。Aさんがタバコに火をつけながらつぶやいた。

「まあ、最近風見さんからまわってくる仕事が多くてそれどころじゃないしな」
「そうそう。あの人、結構厳しいんだよなー」
「そうか。それはたいへんですね……」
「この仕事してると、その辺の店でとか……マッチングアプリでとかってのもダメじゃないですか? そうするともう、自家発電頼みで……」
「B……お前、あけすけすぎるだろ?」

年配者として、Aさんが、その発言をいさめた。
だが、この話の流れは、好都合だった。俺は、声をひそめて、告白する。

「実は、ですね……あんまり、褒められた話じゃないんですけど。俺、実は、そういう相手がいて」
「えっ……そういう相手って、いわゆる……セフレってやつですか?」

やはり、B君はこの手の話題に興味があるらしい。

「まあ、セフレというか……なんというか」
「いやー……意外と遊んでるんですね」
「……すみません、こいつ酔っぱらってて」

Aさんは、話をそらしたいらしかった。なぜだろうか? もしかしたら、予感があったのかもしれない。

「遊んでるのは、俺の方じゃなくて。相手の方で……。もしよかったら、今度、紹介しますよ。あいつ、三人で……とか、そういうのも、昔はけっこう、はまって、やっていたらしいので」
「ははっ……悪い人だなあ……。自分のセフレを、職場の同僚と共有なんて、相当ヤバいですよ?」
「そう思うでしょう? でもね。あいつね……警察学校の同期だったんですけど。同じ教場の少なくとも五名以上とは同時並行で関係を持っていたし。外にも相手が何人かいたみたいなんですよ」
「わあ……なにそれ、とんだ淫乱じゃないですか?」

B君の目が、ギラリと光った。
彼も、こちら側の……。いや、降谷と同じような人種なのかもしれない。

 

***

どうして、こんなことになってしまったのだろうかと、降谷は考える。
しかし、答えは出ない。
降谷は、風見裕也の部下・Bのペニスをくわえさせられ、かつて同じ教場で学んだ同期に胸のしこりをひねり上げられ、言葉を発することができない。

たしかに、降谷には、複数プレイを楽しんでいた時期があった。だが、警察庁に移り。一切の男遊びから身を引いた。第一。そんなことを楽しんでいる余裕なんてなかった。
そんな中。かつての友人が、爆発事件に巻き込まれ、命を落としたと聞いた。そして、続けざまに親友を失った。
この数年の間。本当に、いろいろなことがあった。
あの日から、すべてに、もやがかかっているような日々を送っている。
現実感がどこかに家出してしまったように遠ざかり、これが夢なのか現実なのか確証を持てないことがしばしばあった。
降谷は、そつなく仕事をこなしていた。しかし、上の人間は、何かを察知したらしい。
例の一件から半年が経った頃。上が動いた。それが、二人の再会のきっかけだった。降谷が再会を望んでいたわけではない。
別に、彼でなくてもよかった。だが、今の降谷が、降谷零として、それなりにリラックスした気分で会える相手というのは、彼しかいなかった。

だから、気分転換で、酒を飲むだけのはずだったのに。その晩、降谷は、彼に性行為を求めた。
あの頃に戻りたいという気持ちがあったのかもしれない。警察庁に移る前の明るい日々の思い出。

 

部屋の明かりは、裸電球のみ。窓は締め固められており、外からの音は遮断されていた。
Bも、降谷のセフレも、服をほとんど着崩していない。一人素っ裸の降谷は、床にひざまずき、Bの腰に手を添える。

「降谷……ほら……おまえもっと、喉の奥までいけるだろ……?」
「あー……ッ降谷さん……ッ……喉、いいっすか?」

降谷は、ぎゅっと目をつむりながら、喉の筋肉を緩めた。Bのペニスの先端が、降谷の喉をえぐる。

「あ……っ、すっげ……喉……めっちゃしまる」
「おい、降谷、さっきから、腰が揺れているけど……? ここ触ってほしいのか」

急にペニスをしごかれ、降谷はBの肉棒に、歯を立てそうになった。

「……ぅ……ヴ……っうう……ふはぁ……っ」

息がうまくできなくて。喉の奥がにがくて。口の中に、なんとも言えないねばついた匂いが広がっている。降谷は、Bのペニスを吐き出したかった。
だけど、セフレの声がそれをゆるさない。

「ほら……降谷……B君のちんこ……しっかり可愛がってやれよ」

頭がぼんやりする。
降谷は、友人の容赦ない言葉責めが好きだった。自分をかわいそうだなんて、少しも思っていないような。そういう、強引なセックスを心地よく感じていた。
昔と同じように、説教をかましてくる彼のことを嫌いじゃなくて。だから、再会して、そのままの流れで彼をセフレとした。
あの晩、久々のセックスを堪能した降谷は、あらためて、自分はこういったことが好きなのだと自覚した。しかし、以前のように、複数の男と関係を持つことはなかった。

「降谷さん……ッ……俺、そろそろ……ッ……ハァッ……口に、いいっすか?」

降谷の唯一のセックスフレンドだった男は、自分の失策に気がつかない。
彼は、降谷には、別の男がいると信じていた。そして、空白の数年間、降谷が多くの男たちに抱かれてきたのだと誤解した。だが、そんな事実はどこにもなかった。
しかし、彼の思い込みは、根深かったから。自分の手引きによって、降谷が、数年ぶりに、自分以外の男と性的な行為をしているなど気がつくはずがない。

「ほら……降谷、飲んでやれよ?」

背後から、胸とペニスを激しく愛撫され降谷は体をふるわせる。

自業自得だと、思った。
降谷は、彼の誤解を、自分にとって都合がいいものだと考えていた。セフレの彼とは、特別な関係になるつもりがない。それならば、自分が多くの男と関係を持っていると勘違いされていた方が、思い通りに事が進むと考えていた。

「んっ……ぐ……ッ……っんん」

しかし、こんなことになってしまって、降谷は、後悔した。
降谷は、友人が、自分のことを、好きなんだろうということを、なんとなく察していた。だからこそ、彼の口うるさい説教はいつもどこか心地よかったし。彼に激しく抱かれることが、降谷の自尊心をうるおした。
恋人にしてやる覚悟もないまま。降谷は、友人の想いと、性を搾取した。それは、おそらく、彼に対しての罪だった。
言い訳をするつもりはない。こうなってしまったからには、男が望むよう、立派なビッチを演じてやるまでだ。

「はあぁッ……降谷さん……俺ッ……あ……ッあ……」

Bに頭をガシリと掴まれた。喉の奥に、温かな液体をぴゅうぴゅうと注ぎ込まれる。

「はー……ぁー……気持ちよかったあ」

ズルっと、Bのペニスが、口の外へと逃げていく。
降谷は、ぼんやりとしながらも、とろんとした表情を作り、注がれた液体を実に上手に、こくんと飲み込んだ。

「あ……っ♡ ……こい♡」
「降谷さん、すごいなー……。ごっくんとか、俺、してもらったことほとんどないですよ」

Bの手が、降谷の頭を撫でた。
降谷は、それを、ほんの少しだけ、うれしいと思った。

「ほら、降谷、そこに手ついて、尻こっちに差し出せ……」
「おー……っすげ……それ、降谷さんのアナルに……? 入るんすか?」

ふだんはあまり使用することのない、セーフハウスのテーブルは少しばかり埃っぽかった。
降谷は立ち上がると、天板に手をつき、尻を差し出した。

「……ほら、B君もこっちに来て」
「……え……っ? わっ……やば。形が、なんか違うし、ふちが……こう、腫れぼったくなってますね?」
「これな……ヤリすぎるとこうなるんだよ」

(僕は、君のものしか挿れていない!)
弁解したい気持ちをこれえながら、降谷は風見の部下のために、アナルのふちを、わざとひくつかせた。

「すご……。降谷さん、エロ過ぎじゃないっすか? もしかして……風見さんとも寝てるんです?」

その名前に、場が一瞬だけ凍った。
降谷は、

「風見とはしてないよ」

と、答えた。
Bは

「そうなんですね。まあ、風見さん、彼女一筋だし。あの人、堅物というか……ちょっと潔癖ですもんね」

と言いながら、降谷の尻の丸みをなでた。

「……そんなことより、さっさとぶち込めよ。めずらしくそっちから誘ってきたから……期待してたっていうのに……二人がかりで、僕に挑んできておきながら、君たち全然じゃないか?」

降谷の挑発。まるで、彼らの体だけに関心があるようなセリフ。
昔なじみのセフレに呼び出され、待ち合わせ場所に来たら、なぜか風見の部下Bもいて、三人での行為を提案された。いくら降谷とて、動揺しないわけがなかった。だけど、それを、悟られるわけにはいかない。
セフレの男は、昔から単純で、降谷が挑発をすれば、すぐに騙されてくれた。
降谷は、自分のはったりを、まったくもって見抜くことのできない彼を気に入っていた。
だって、はったりだと気づかれてしまったら。自分の弱さに触れられてしまったら。今まで積み上げてきた、強い自分をどうやって保ったらいいのか、わからなくなってしまう。

「あー……お前、本当、そういう所だよ。B君は……風見さんの部下だぞ? セフレが、自分の部下の部下を連れてきて、三人でしようと提案してきたら、ふつう断るだろ?」

降谷だって、本当は断りたかった。

「そうか……? Bの身元は保証されているわけだし、せっかくだから、久々に、3Pもいいかなって気になるだろ?」
「いやー……降谷さんかっこいいっすね……!」
「だろ? Bもセックス好きなんだな。いいことだ。しかしな……彼ときたら、僕と同い年なんだけど、昔からすぐ説教をしてくるんだ」

降谷は、自身の尻を撫でるBの右手を捕まえて、その瞳を見つめた。
セフレの男の瞳が、ギラリと光る。

「あー……どうせ、俺は、説教おやじですよ」

降谷の腰に、大きな手のひらが添えられる。再会して最初のうちは、挿入が少し苦痛だったが。最近は、あの圧迫感にも慣れてきた。
Bの左手が、降谷の背中を撫でた。
セフレの男は、当たり前のように、ゴムなしのまま、ペニスを後孔にあてがう。括約筋がひくついた。

「まあ……お前は、これがあれば、何だっていいんだろうけどさ……ッ。ほら……ッ」

体の中心を貫かれ、降谷は、男の名前を呼んだ。
もう、こうなってしまえば、あとは、なるようにしかならない。
その晩、降谷は、セフレの男と風見の部下Bに交互で抱かれ。夜が白むまで、精を注がれ続けた。

 

【あとがきなど】

今回の話を持ちまして、俺降の可能性は、完全に断たれました。
俺君の馬鹿……! 降谷さんのアナルがキツキツになってたのは、数年ほど使用してなかったからだったんだよ!!! ちゃんと、本人も、久々だ的なこと言ってたろ?!

B君は……こう……プライベートでは無邪気なイメージがあったので……
そういう感じで書いてみました。
この時点では、風見裕也は、彼女一筋ですし。羽場の件もあって、降谷さんに対して、どう接したらいいか考えあぐねている感じなので……風降フラグは立っていません。
次あたりかな? フラグが立つとしたら……

部下Aさんは、今回は、不参加でしたけど。
降谷さんが、ちょっとやけになってしまっているのと。B君が無邪気であるがゆえに……
一か月後くらいには、しれっと、上司いじりに参戦しちゃうんじゃないかと思います。
俺氏と、B君が、ガンガン行ってしまうタイプなので……
Aさんには、ねちこいなにかを期待します。

 

 

 

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