AVソムリエ

初出:2021年4月20日(pixiv)
※ギャグです
※風降が行為しているわけではなく、AVの話題を出しすぎた結果のR-18です。
※風降自体は手すら繋ぎません。
※風見裕也が、公安部のAVソムリエです
※風見裕也が、元カノとどんなプレイをしてきたか言及するシーンがあります。


大半の男がそうであるように、俺はAVが好きだ。
女日照りの日々。性欲を慰めるため……という、理由も、もちろんあるが、それだけではない。脚本、演技、演出、カメラワーク、パッケージのあおり。AVとはすなわち、総合芸術である。エロティシズムと微妙なおかしみが溶けあった極上の作品は、いつだって仕事ですり減らした精神を癒してくれる。
江戸時代。春画のことを笑い絵と呼ぶことがあったという。
エロにおかしみを見出し、それを愛好すること。それは、由緒正しき伝統文化でもある。

……などと、同世代の仲間の前でうそぶいていた俺だが。さすがに一つ年下の上司。それも、真面目で仕事一筋のこの男の前では、そういった話を控えていた。

だから、部下の一人が

「風見さんにこの前借りたDVD最高でした! 三回見ちゃいましたよー。またよろしくお願いします」

と言いながら○○書店と書かれた黒いビニール袋を差し出したとき。俺は、あまりのタイミングの悪さに言葉を失った。
休憩時間。自動販売機前で飲み物を飲む俺と降谷さん。彼は適切なタイミングで、俺から借りた私物を返却しただけだ。したがって、彼に過失はない。
ぬかったのは俺だ。○○書店は成人向けのアイテムを扱うチェーン店である。にもかかわらず、店名の入った黒い袋に入れDVDの貸し出しをした俺の行動は明らかに軽率だったし、こうなることを防ぎたかったのであれば「降谷さんの前でシモ系の話題は禁止だ」と伝えておくべきだった。

「ああ、気に入ってくれてよかった」

俺は、少々、やけになりながら○○書店の袋を受け取った。

「風見さんのテイスティング……やっぱさえてますね! 俺の好みドンピシャで……もう、女優さんの演技がね、すごくよくて」
「ありがとうな……。だが、休憩中とはいえ……ほら、な?」

ちらちらと目配せをしながら部下をいさめる。

「あ……すみません。つい……あの、また、いいのあったら!」
「ああ。そのうちな」

この間、降谷さんは、無言のまま俺たちの様子を見ていた。
業務の合間に、卑猥なDVDの貸し借りをしたことが露見したわけだ。遠回しないやみ、あるいは、冷たい視線を覚悟する。

「……すみません」

俺が、頭を下げると、降谷さんは

「いや、別に」

と言った。その声には、いささかの不機嫌さもなく、そのことに俺は拍子抜けした。
恐る恐る顔をあげれば、降谷さんがきょとんとした顔をしている。

「というか、どうして君は謝っているんだ」

その一言に、俺は、なんと言っていいかわからなかった。
しかし、考えてみれば、降谷さんだって男なのだ。AVくらい見るだろうし。○○書店の黒い袋に入ったDVDのやり取りくらい、別になんてことはないのだろう。

「いや……あの、休憩中とはいえ、趣味のやり取りというのはよくなかったかなって」
「そんなこともないだろ。そういう、コミュニケーションって、お互いを理解するうえで大事だし」
「ですよね……!」

降谷さんの言葉に、俺は、ちょっと……いや、だいぶ感動してしまった。

――さすが降谷さん。おっしゃる通りです!

そうなのだ。AVを介したやりとりは、立派なコミュニケーションである。
男同士であれば学生時代の鑑賞会や飲み会でのAV女優談義。
男女関係であれば、プレイを盛り上げる小道具になる。最近はタブレットやスマホでも簡単にAVを見られる。昔、先輩が教えてくれた「エロ動画のシークバーを適当に動かし、ちょうど止まったところで行われているプレイを再現する遊び」は、おすすめだ。
今は生の女の子に触れる機会がないから、なかなか実践できないが、数年前に試したところ大変燃えた。もちろん、エッチなシーンで止まるのが望ましいが、妙なところで止まってしまってもそれはそれで面白い。当時つきあっていた彼女の家で、配管工事業者になりきって台所のシンクの下にもぐりこんだ話は、飲み会における鉄板ネタの一つだ。

「俺、わりと、いろいろ見てて……! それで、なんていうか、同僚とか友達の好みに合いそうなDVDを見つけるのが結構得意なんです」

自分で言うのもおかしいかもしれないが、俺は、先輩につけられた「公安部のAVソムリエ」の二つ名を気に入っている。

「へー……君にそんな特技があったとはな」
「ええ」
「じゃあ、僕も、頼んでみようかな?」

思いがけない降谷さんの言葉。

「え……? 降谷さんが好きそうなものを……見繕うんですか?」

なぜ、戸惑うのか自分でもわからなかった。
相手は同世代の男であるし、上司とはいえ、雲の上の人間というほどに遠い存在ではない。しかし、この人の性癖を、俺が覗き見てしまってよいのか。そんな戸惑いを隠せない。
少し、想像してみる。降谷さんが、どんなAVが好きなのか。しかし、なぜだろう。AVソムリエと呼ばれる俺の力をもってしても、この人がどんなAVを見て興奮するのか想像ができなかった。
しいて言うなら、ノーマルなもの。単体女優のもので、恋愛描写がちゃんとあるようなものがいいだろうか。なんとなく、処女喪失物は好きではない気がするが、しっくりくるタイトルが思いつかない。

「ちょっと、難しいかもしれないですね」
「……そうか? まあ、僕たちはまだ付き合いが浅いしな」

その言葉に、さみしさを感じた。確かに降谷さんとの関係は、まだ数年にも満たない。けれど、これは時間の問題ではなく、俺の想像力の限界なのだと思った。

「いえ。つき合いの長さとか、そういうのは関係ないんです。ただ、降谷さんが、そういったものを鑑賞するイメージを持てなくて」

正直に伝えれば、降谷さんが、こてんと首をかしげる。

「そうか? 僕だって、人並みにエンタメには興味があるし。最近は忙しくてそうでもないけれど。学生時代は週末にレンタルショップで借りて、数作品連続で見るなんてこともあったんだぞ」

週末に……何本か連続で?! と、少し驚いたが、降谷さんだって、健康な成人男性なのだ。そりゃあ、そういう時間を持つことくらいあっただろう。
それなのに、どうふり絞っても、この人の好みが見えてこないのだ。

「……すみません」

なんだか、情けない気持ちになる。そんな俺に、降谷さんは優しかった。

「じゃあ、僕の好みじゃなくて、君が一番、気に入っている作品を見せてほしい」
「え……?」
「僕だって、君のことをまだまだ知らない。君が”映画鑑賞”を好むことも今日初めて知ったし」

降谷さんはそう言って微笑んだ。AV鑑賞を、映画鑑賞に言いかえるところが、降谷さんらしいなと思った。

「では、次にお会いするとき、お持ちしますね」

 

 

 

午後十時前に仕事が終わったのは上出来だったと思う。今日は久々に自宅で眠れる。
車を降りようとした僕に風見が紙袋を差し出した。
サイズや形からこれが、例の品物であることを察する。

「ああ、本当に持ってきてくれたんだな。ありがとう」

礼を言えば、風見がほほ笑む。

「いえ」
「一週間以内には見終わると思うから、その時にまた返すよ」
「……あの、降谷さん」
「なんだ」
「もしよろしければ、返却するときに、簡単でいいので感想をください。よかったとか、よくなかったとか。女優がかわいかったとか、そうでもなかったとか。そういう感じでいいので」
「うん」
「ありがとうございます。感想をいただければ、たぶん、次に何をお勧めしたらいいか、少し見えてくると思いますので」

風見とは、たまに酒を飲んだり、食事をしたりするが、そういう機会を頻繁にもてるわけではない。
だから、こういう方法で交流を持つことも必要なのだと思う。

「わかった。それじゃあ、気をつけて帰るんだぞ」
「はい。降谷さんも」

車を降りると、僕はふり返らずに、愛犬の待つ部屋に向かった。
階段をのぼりながら、風見がどんな映画を好むのか想像する。堅実そうでいて、ミーハーな一面もある男だから、過去の大ヒット作品かもしれない。女優がかわいいかどうか……とも言っていたから、アイドル主演の恋愛映画の線もありうる。
なぜ、こんなに浮足立った気持ちになっているのか自分でもわからない。しかし、身近な人間から映画のDVDを借りて鑑賞するという平和な営みは、僕にとって、ちょっと大事過ぎて。取り扱いを間違えそうになるくらい貴重な体験だったのだ。

だから、シャワーを済ませ、ベッドにもたれながら、紙袋を開けた時、僕はものすごく渋い顔をしてしまった。僕の異変を察知したハロが不安そうに、身体を摺り寄せてくる。

紙袋にDVDを戻す。そして、ハロと戯れた。
規則正しい生活をしている彼は、すでに少し眠そうな顔をしている。紙袋の中身についてはいったん棚上げにし、ハロの手の届かない引き出しにしまい込んだ。
部屋着を脱いで、部屋の照明を落とす。布団のシーツがひんやりとしていて気持ちいい。
体が少し火照っている。「参考書を買いに来た真面目そうな女子校生に……」そのようなタイトルが頭をよぎった。一瞬しか見ていないし。妙に長ったらしいその文面を僕は正確には覚えていない。しかし「3」という数字があったのは見えた。
僕は子供ではないので、あれが、映画のDVDでないことを知っている。
あまり詳しくはないが「3」という数字が添えられていたということは、それなりに人気のあるシリーズなんだろうということも想像できる。見てはいけないものを見てしまったような気がした。
あの日の風見と部下とのやり取りを思い出す。彼のばつの悪そうな表情。その理由をいまさらながらに理解した。「付き合いが浅いから」なんて。つまらないことを言ってしまったな……。
風見はちゃんとわかっていたのだ。

――ただ、降谷さんが、そういったものを鑑賞するイメージを持てなくて

その見立ては正しい。
きっと、彼らがやり取りしているDVDをポルノと見抜けなかった僕は、世間ずれしているのだろう。同世代の男たちとアダルトビデオを貸し借りするという健康的で平和なやりとりを、この年になるまで経験したことがなかった。学生時代は、潔癖が作用して。そして、警察官になってからは、あまりにも自分の時間がなかった。
けれど、約束をしてしまった以上は、一週間以内に鑑賞を済ませ、風見に、それなりの感想を伝えなければなるまい。

ハロをペットホテルに預けた。愛犬と一緒に居られる貴重な時間を大事にしたい気持ちあったが、部下との約束をないがしろにするわけにはいかない。
世の中のペットを飼っている男性諸氏がどうしているか知らないが、少なくとも僕はこの手の映像を愛犬に見せたくない。
DVDのパッケージを確認する。本屋で真面目そうな女子校生に即効性の媚薬をぬったくった性器を刺しこむというあらすじが書いてある。
嫌悪感がこみあげる。女子校生を演じている女優が未成年でないことくらい僕も知っているし、そのような薬を実際に使用しないともわかっている。だが、警察官としての倫理観が微妙に邪魔をして、再生しようという気持ちを削ぐ。
風見は、これがお気に入りなのか? と思うと、なんだか、説教したい気持ちすら湧いてくる。しかし、これはフィクションなのだ。アダルトビデオとはミステリー小説と同じなのだと自分に言い聞かせる。僕はあらゆる犯罪行為を憎んでいるし、それらを未然に防ぎたいとも思っているが、ミステリーは犯罪がおこらなければ始まらない。
僕はコップに注いだ麦茶を飲み干すと、意を決して、プレイヤーにディスクを挿入した。

――細かいことは省こう

ただ、風見の趣味が、少々、特殊なんだろうなということは分かった。
アダルトビデオにおけるカメラワークについて、特別な知識があるわけではないが、解像度低めの固定カメラ(おそらく隠しカメラ風の映像効果を狙ったものだろう)を多用している。また、場面転換がなく書店の中で行為が完結しているところに妙なこだわりを感じる。なにより、ラストシーン。好き放題にされた女性がぐったりと床に倒れこんでいる演出。一言で言えば後味が悪い。

これが一番のお気に入りということは、風見は、この映像を使って処理をするということだろうか? 残念なことに(もとよりそのつもりはなかったが)僕には難易度が高かった。
精神がすり減った。今日は晩御飯もいらないかもしれない。
けれど、風見に責任はない。これは業界の規制にのっとって作られたポルノ作品である。二十九歳の男がそれを鑑賞して具合が悪くなるなど誰が想像しようか。
だいたい、気がすすまないのであれば、事情を説明して返却すればよかったのだ。にもかかわらず、最後まで見てしまったのはなぜか。
世間ずれしている僕は、みんなが普通にしていることを普通にこなせない。
三つの顔を演じ分けながら生きることよりも、二十九歳の普通を生きることの方が、僕にはよほど難しいことに思えた。

あの日の彼らのやり取りを思い出す。「最高でした」「俺の好みドンピシャで」「女優さんの演技がね、すごくよくて」「また、いいのあったら!」風見の部下は、そんな風に感想を伝えていた。
そういえば、このDVDを受け取った時、風見は「簡単でいいので感想をください。よかったとか、よくなかったとか。女優がかわいかったとか、そうでもなかったとか」と言った。
だからきっと、そんな風に、感想を伝えればいいのだと思う。簡単に、軽い感じで。「まあまあだったよ」とか「僕には合わなかったかな」とか「結構、抜けたぞ」とか。嘘をつくのは得意なんだ。そう言って、それから微笑んでみせれば、風見との約束はきっと果たせる。
そんなことを考えているうちに、時間は三十分以上過ぎていた。
ハロを迎えに行こうと思い、立ち上がる。そして、僕は、苦笑いした。

Tシャツが汗でぐっしょりだ。

 

 

降谷さんの自宅前。車を停めれば、紙袋を渡された。
あれから、ちょうど一週間。見てくれたんだな、と、ほんの少しうれしくなる。

「どうでした?」

と、たずねれば

「まあまあ、抜けたよ」

降谷さんは微笑んだ。

「まあまあ、でしたか」
「ああ。まあまあだな」

降谷さんは、俺達の付き合いを「まだ浅い」と評したが、それでも、俺が今、一日のうちに一番考えているのはこの人のことだし。この人の考えていること感じていることを取りこぼしなく受け取りたくて、どんな些細な変化も見逃さないよう注意を払っている。
だから、その微笑みが作り笑いだってことくらい、すぐにわかってしまう。

「俺の性癖、よく、ドン引きされるんですよ」
「そうか」
「ええ」

他のみんなと話すときのように「降谷さんも引きました?」とか。そうやって、軽く聞ければいいのに。どういうわけか、その一言が出てこなかった。

「風見……」

俺のそういう逡巡を、降谷さんが見落とすはずがないだろ?

「君、僕に遠慮してるだろ?」

図星だ。

「遠慮と言いますか……なんというか」

どう声をかけたらいいか、加減がわからない。

「いや、まあ、いいよ」

降谷さんが、やり取りを曖昧にしようとしているのが分かった。だけど、俺は、もう少し踏み込みたい。

「……お言葉ですが、降谷さんこそ遠慮しているのではないですか?」

まあまあ抜けた、なんてお世辞。俺は欲しくなかった。
降谷さんからの返事を待つ。ハンドルを握りしめたまま。前だけを見て。ハザードランプの点滅を数える。三十を数えても、百を数えても、降谷さんは何も言わなかった。
いつまでも待とうと思っていたのに、急に不安になってきて。結局、俺は助手席を見た。
はぁっと息を吸い込む音がした。降谷さんの頬が涙でぬれている。

「ああ、ごめんなさい……」
「君が……謝ることじゃない」
「しかし……」
「僕が、普通に普通をできないのがいけないんだ」

普通に普通をできない、という言葉の意味がよく分からない。でも、この人に涙は似合わないから、俺はダッシュボードを漁った。だけど、こういう時に限ってティッシュの類が見つからない。
それで、失礼を承知で、背広の袖で降谷さんの頬をぬぐった。

「降谷さん……」
「ごめん……君の、ジャケット」
「いや……いいんですよ」
「僕、アダルトビデオの貸し借りって、慣れてなくて」
「ああ……そんなもん、慣れてなくていいんですよ」
「というか、正直、君たちが貸し借りしてるDVDがポルノだって気がつかないくらい世間知らずなんだ」

その言葉に、俺はぎょっとした。
そういえば、降谷さんはあの時「映画鑑賞」という言葉を使った。

「まさか……とは思いますが」
「ああ。僕は君から映画のDVDを借りたつもりでいたし……君の見立て通り、実は、こういう類のものをあまり見たことがなかったんだ」

降谷さんは、自分を世間ずれしていると言った。
だが、それは俺についても言えることかもしれない。俺たちにとって当たり前の日常。それも、AVを貸し借りしてお互いの性癖を揶揄し合うという、おおよそ上等とは言えない馬鹿げたやり取りが、降谷零にとってどれほど難しいことであったか。そんなことを考えて、強い憤りを感じてしまうのだから、俺だってたぶん普通じゃない。

「じゃあ、少しずつ、慣れていきましょう。俺、降谷さんがドバドバに抜けるようなやつ探しますから」
「おいおい……ドバドバって」
「降谷さんは、あの中だと何番目の女の子がよかったです?」
「……いや、別に、もうDVDはいいよ」
「あのー……もしかして、ですけど、降谷さん……俺の性癖に引いてました?」
「……ああ。実はめちゃくちゃ引いている」

降谷さんがジト目でこちらを見た。それが、少しうれしい。

「どこが、だめでした?」
「まず、女子高生ってところが無理だったな」
「あー……そこからか。では、同じコンセプトで、スーパーマーケットを舞台にした若妻のやつもあるんですけど?」
「同じコンセプト……?」
「即効性媚薬の即ハメです」
「それは強制性交だし……その薬、仮に実在したとして違法薬物だろ?」
「でも……あれの使用によって、無理やり感がなくなり、若妻たちも気持ちよさそうに積極的になるんですよ?! あと、チンコに媚薬すりこむシーンがシュールでいいんです!」
「そんなことを力説するな……! だいたい僕は、映画のDVDを見るつもりだったんだ。君が好きな映画のDVDを貸してもらうつもりだったんだ」
「……確かに、普通の映画のDVDも何本かありますけどね……。社会人の余暇時間は貴重なんです。映画のDVDを見る暇があったらAVを見た方がよほど有益でしょ?」

あくまでAVを推していく俺に、降谷さんは肩をすくめて、ため息をついた。
涙はいつの間にか止まっている。その横顔をじいっと見つめたら、降谷さんが声を立てて笑い出した。どうして笑うのか、俺にはいまいちわからない。でも、泣いているよりは、何千倍、何億倍もましだから、深い理由は探らない。

降谷さんの笑いがおさまるのを待って、俺はようやく帰路に就いた。

さて、今日も仕事で疲れた。家に着いたらAVを見よう。
降谷さんから返却されたこれを見るのもいいかもしれない。降谷さんはドン引きしていたけど、後ろからいきなり突っ込むのは男の夢だ。
あー……でも。
真面目系JKを媚薬で快楽堕ちさせるのもいいが、生意気な黒ギャルを肉棒一本でわからせていくタイプのAVも見たい気がする。最近、俺の中で、黒ギャルがマイブームだ。先日見た、整体物と黒ギャルの合わせ技もなかなか良かった。

……などと、そんなことを考えていたら、あっという間に自宅近くの駐車場にたどりたどり着いていた。

 

【あとがきなど】

我ながら

「アダルトビデオとはミステリー小説と同じなのだと自分に言い聞かせる。僕はあらゆる犯罪行為を憎んでいるし、それらを未然に防ぎたいとも思っているが、ミステリーは犯罪がおこらなければ始まらない。」

この文章が大好きです。こうでも思わないと、JKもののAVを再生できない降谷零、最高にかわいいと思う。

あと、シークバー・ルーレット・プレイ(今適当に名前を付けた)。
あれは、いつか風降にやってもらいたかったプレイの一つなんですけど、私の脳内の風見裕也は、降谷さんに対してはああいうことできない男なんで……元カノさんとの思い出話として……ネタ消費。

シークバー・ルーレット・プレイ……(この名称推してくね!)
普通は、配管工事の男が、人妻をチラチラ見てるシーンで止まったら「もう一回やりなおそう!」ってなると思うんですけど「よし、じゃあ、俺、配管工事業者やるから、君はノーブラニットでそこ立ってて」って言い出すのが風見裕也だと思っています。

私自身は、シークバー・ルーレット・プレイする風降を書けませんが、他の方が二次創作したやつはいくらだって見たいので、シークバー・ルーレット・プレイをする風降……だれか書(描)いてください。

 

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